犬の僧帽弁閉鎖不全症と肺水腫

今回は、呼吸が辛そう、咳をするでご来院された小型犬の姫ちゃんです。

飼い主様は、2−3日前より何となく調子がおかしいかなと思われていたそうです。

僧帽弁閉鎖不全症

 

 

 

 

 

 

 

ご来院時はかなり呼吸状態が悪く、レントゲンを撮ると、肺が真っ白です(写真:左側)。

レントゲンを見ていただくと、空気を吸える部分である黒い場所がほとんどないですね。

肺水腫という、簡単にいうと肺に水がたまってしまっている状態です。

肺水腫は救急疾患の代表でもあり、発症原因として心臓病によるものと、そうでないものがあります。

姫ちゃんは、検査にて、心臓病である僧帽弁閉鎖不全症の悪化(三尖弁閉鎖不全症も合併)により生じた可能性が疑われました。

即座に、肺の水を尿から排出させる利尿剤や血管拡張剤、強心剤を使い、治療を開始し、酸素室にて呼吸の安定化を試みましたが、数時間後、肺の水があまりに多く、呼吸停止(自分では呼吸ができなくなること)になりました。

すぐに飼い主様に駆けつけてもらい、正直この状態まで行くと命を助けてあげる事はかなり厳しいとお伝えしました。

気管に管を入れ(挿管)、人工呼吸器という機械にて呼吸を集中管理、尿の量もモニターしつつ、諦めず、改善を願うばかりでした。

数時間、奇跡的に自分で呼吸をし始めてくれ、人工呼吸器から離脱、数日酸素室で集中治療にて、徐々に呼吸の改善が認められました。

そして、先日無事に元気よく退院していきました!!

右側のレントゲンは退院時のレントゲンです。肺の白さが消え、真ん中にある心臓が綺麗に見えますね。

もともと、保護施設から飼い主さんの元に来た姫ちゃん。

今までの過程を飼い主さんから聞くと、なおさらお家に元気よく帰れて本当に良かった。

心臓病は早めの飲み薬による治療により進行を抑えるのが大事になってきます。
また、状況に合わせた飲み薬の選択が必要になります。
(最近では心臓病手術をされている病院もありますのでご希望であればご紹介させていただきます。)

先月と今月は気温の上下が激しいですね。皆様も体調にはお気をつけください。